美味しい病院食と
まずい病院食の違いは?
病院食の美味しい・まずいは、患者さんにとって非常に重要です。健康になるために作られた栄養バランスの良い食事でも、食べてもらえなければ意味がないからです。ここでは病院食がまずいと感じてしまう理由や美味しくする工夫、体に良い以外のメリットをご紹介します。
病院食がまずいと感じるその理由とは?
病院食にも「美味しい」「まずい」があります。
自宅で家族と食べる食事よりも、一人きりで病室で食べる食事に方が味気なく感じてしまうのは想像に難くありません。
しかし、それ以外にもいくつも理由があります。
- おいしそうに見えない
- 味が美味しくない
- 温かい(冷たい)ものが食べたい
- 食事の種類が少ない
- 食べる時間が短い
- ペースト状が受け付けられない
- 味が薄い
それに加え、病院食には様々な種類があり、一般食だけではないため美味しく感じにくいのです。
病院食の種類
- 介護食同様、かむ力や飲み込む力に合わせた
柔らかい食事 -
- 軟食
- きざみ食
- ゼリー食
- ミキサー食
- ペースト食
- 流動食
- ソフト食
- 病気の治療のための食事
-
- 塩分を控えた食事
- 糖分を抑えた糖尿病食
- 食物繊維の多い食事
- 肉類の脂が少ない食事
- たんぱく質を控えた腎臓病食
食事は患者の健康状態を保つために必要なものであり、栄養バランスの考えられた食事であっても残されてしまっては意味がありません。
病院食がまずいと食事を残すことで栄養失調になってしまう危険性もあります。また治療の一環としても、完食して初めて治療効果につながります。
美味しい病院食は決して贅沢なものではなく、患者の健康のために必要不可欠なものなのです。
美味しい病院食とは?
ほんのちょっとの気持ちと工夫で美味しくなる!
治療を受けている患者さんにとって、「病院食が美味しい」ということはとても重要です。
出される食事を完食することは治療の一環でもありますし、食事を楽しみにしている人も多いでしょう。
では、美味しい病院食とはどのようなものなのでしょうか?
- おいしそうに見える…食事の盛り付け以外にも、配膳の際のお盆やお皿などの彩りや見た目
- 食事が選べる…和食や洋食、パン・ごはんなど、いくつかのメニューから選択できる
- 季節に合わせた食事…夏はそうめん、冬はお汁粉など季節を感じられるもの
- 季節の行事に関連するメニュー…ひな祭りや七夕、クリスマスといった行事に関連するもの
- 料理に適した状態で提供…温かいものは温かく、冷たいものは冷たくなった状態で提供する
- 食事にかける時間…ゆっくり食事を楽しみたい人もいるため、食べる時間を長く設定する
さまざまな症状・制限のある患者さんがいる中で、万人に満足してもらう味付けをするのは難しいですよね。
ただ、食事を提供する温度や食事にかける時間、食欲の増す盛り付けなどにおいては大いに工夫の余地があると考えます。
特に、「温かい食事は温かい状態」で、「冷たい食事は冷たい状態」で出すということは、直接美味しさにつながるものなのです。
美味しいだけじゃない!
出来立ての温かい食事が体に良い理由
温かいものは温かい状態で提供する食事はより美味しく感じる、と上記で述べましたが、実は美味しいだけではなく、体にも心にも良いのです。
温かい食べ物を食べると、こんな良いことがあります。
- 消化しやすい
- 吸収しやすい
- ストレスを少し和らげてくれる
- 体も心も温かくなる
出来立てのアツアツが好き、美味しく感じる、という方もいると思いますが、病院の患者さんや介護施設の利用者さんには「熱すぎず冷たすぎず、適温の状態」で提供することで美味しいと感じてもらえることが多いですね。
美味しいものを食べている時はみなさん笑顔になります。飲み物や料理は温度を上手く調節することで、「美味しい、うれしい」を引き出せるんです。
私が今回このサイトを立ち上げる理由となった温冷配膳車は、「温かいものは温かい状態で、冷たいものは冷たい状態で提供できる」というメリットだけでなく、利用者の笑顔も引き出すことができたのです。