食事介助方法マナーについて詳しく解説しています。
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食事介助の方法やマナーって
どうしたら良いの?

ベテランの方や新人さんの中には、食事介助の方法やマナーについてきちんと学んだことが無い方もいると思います。

経験則で、または先輩の見よう見まねで行っている場合もあると思いますが、食事介助は適切に行わないと大事故に発展する危険性があるので、食事前の準備や手順、注意点をご確認ください。

食事介助の方法とマナー

食事介助の方法とマナー

食事前の準備とマナー

食事前の準備は、利用者が負担なく食べられるようにしてあげることが大切です。

①利用者に声をかける
食事の時間であることを伝え、排泄の確認、食事のメニューの紹介をします。
②体を起こす
誤嚥のリスクを軽減するため、なるべく上半身を90度近くまで起こします。
普段ベッド上にいる方でも、移動できるのであれば椅子や車いすに移動してもらいましょう。食べる時は、テーブルに肘を軽く曲げ、手を自然に乗せられているか確認を。
利用者の状態による確認事項は以下の通りです。
  • 椅子に座っている場合:腰やひざ、足首が90度に近い状態になっているかどうか
  • ベッドで食事をとる場合:頭部を前屈させ、気管に食べものが入りにくい角度になっているかどうか。ひざ下や後頭部にクッションを入れると体や首が安定する。
③口腔内を清潔にする
口腔内に異物が入っていないか確認した上で、うがいや口腔ケア用のスポンジで口腔内をきれいにします。入れ歯の場合は、食事の前に入念に洗浄しましょう。

以降は、自力で行えない部分をそれぞれの利用者にあわせて事前に準備します。

  • とろみが必要な場合…一人ひとりの嚥下機能の状態に合わせてとろみの量を調整します。
  • 寝衣を汚してしまう恐れがある場合…エプロンもしくはタオルで襟元を巻きます。この時、利用者の自尊心を傷つけないように注意して声掛けしましょう。
  • 義歯が必要な場合…正しく装着します。

その他、料理が大きい場合には、食べやすいように一口サイズに切り分けましょう。またサラダがある場合にはドレッシングをかけておきます。

食事中の介助と注意点

食事の介助者は、利用者の「斜め前」に座ることが基本です。斜め前といっても利用者と向かい合う形ではなく、角度で言うと利用者から見て45度程度、「となり」といっても差し支えない位置になります。

立って介助すると利用者の顎が上がり誤嚥の危険性がありますので、必ず座ってください。

①献立の説明をし、食べたいものを聞く
「おいしそうですね!」など声掛けをしながら献立を説明します。食べたいものの希望がない場合、汁物など水分の多いものから食べてもらうと胃酸の分泌を促すことができます。また食事の直前まで眠っていた方などは、しっかりと覚醒しているかも確認しましょう。
②少量をスプーンに盛り、下から口に運ぶ
ティースプーン1杯程度を、顎が上がらないように下から舌中央にまっすぐ入れます。
③口だけでなくのどの動きも見て、飲み込んだことを確認
誤嚥の危険性があるので、咀嚼中や嚥下中は話しかけることは避けましょう。またマヒがある利用者の場合、マヒ側に食べ物が残りやすいので注意してください。
④主食、副菜、汁物などをバランスよく交互に食べる
利用者に飽きがこないように、バランス良く交互に口に運びます。また嚥下しやすくするため、適度に水分も補給しましょう。
⑤利用者のペースを見極め急かさない
利用者が高齢の場合、筋力の衰えから食事に時間がかかります。急かしてしまうと誤嚥につながるばかりか食事が楽しくなくなってしまうので、利用者のペースに合わせてゆっくり待ちましょう。

食事後の介助と記録

食事後には、以下のような介助や記録を行います。

①摂取量を確認し、下膳
食事をどの程度食べられたか確認して下げます。
②歯磨きや口の中をゆすぐ
口腔内を清潔に保つことで、歯周病などの口内トラブルを防ぐことができます。
③食後30分から1時間は横にならないように声かけ
食事の逆流による誤嚥や窒息を防ぐため、すぐには横にならないように注意します。

その他、各利用者の状態に合わせて服薬や入れ歯を外すといった介助を行います。

食事量や水分量、服薬などは継続して記録を取ります。

食事量の減少など大きく変動があった場合には、栄養士や担当看護師に報告し、相談しましょう。

食事介助の種類とポイント

食事介助の種類とポイント

食事介助の準備や手順を事前・食事中・食後に分けて説明しましたが、食事介助は利用者の状態によって3種類に分けられます。

全介助食事のすべてにお手伝いが必要。食事を口に運ぶ、水分を口まで運び補給する、など。
一部介助食事の一部に介助が必要。スプーンなどにとった食事を手渡しで利用者に渡す、手を添える、など。
全介助声掛けや見守りがあれば、自分で食事をとることができる。姿勢やバランスよく食べる声掛けなど

自分で食べられる方には、できるだけ自立を促すようにしましょう。

また高齢者や患者の食事の特徴として、以下のことが挙げられます。

利用者の状態を考慮しながら食事介助をしていきましょう。

  • 唾液の分泌量減少やのどの筋力低下による「飲み込みづらさ」
  • 顎の筋力低下や歯・歯茎の調子の悪さによる「噛む力の低下」
  • 味覚や嗅覚の衰えによる「味のわかりづらさ」
  • 口渇中枢(こうかつちゅうすう)の減退による「のどの渇きの感じづらさ」
  • 消化器官の機能減退による「胃もたれ・便秘・下痢」

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