配膳マナーってどういうもの?
介護施設や病院での食事の際、基本の配膳マナーを守ることは大切です。利用者の中にはマナーを大切にしている方も多いですし、ご飯と汁物の位置を逆にするだけで仏壇にお供えする配置となり大変失礼になってしまいます。
一度覚えてしまえば簡単ですので、この機会にぜひ確認してみてください。
基本の配膳マナーを確認!お茶碗は右?左?
和食の基本である一汁三菜(主菜1、副菜2)と漬物の配置、つまり配膳マナーはご存知でしょうか?
ご飯が左、汁物は右、ということは知っていても、漬物や副菜は難しいですね。
正しい配置は図のようになります。
漬物はご飯と汁物の間、副菜が左、主菜が右、副々菜はその間となります。これは左利きの方に配膳する時も同じです。
ご飯と汁物を左右逆にしてしまうと「陰膳」といって、故人に供えるための配置になってしまうので注意しましょう。
また、ワンプレートで食事を提供するときの配膳マナーは下記のようになります。
主食が左手前なのは同じで汁物はプレートの右外に、主菜が手前にくる形です。
以上が基本の配膳マナーになります。
いずれにせよ、利用者によっては自分で食べやすいように器の位置を並べ替えたりすることがあるので、マナーだからと固執することはありません。
配膳の位置は基本として知っておき、利用者がどう食事を食べるのか、どのようにしたいのかといった好みに合わせることも大切ですね。
配膳前の準備はとっても大切!
介護者が知っておきたいこと
配膳マナーの前段階として、食事の準備はとても重要です。
利用者によって食べられるものや食材の形状が異なるため、間違った食事を配膳してしまうと大事故につながる危険性が。
ここでは配膳前の準備として行うことをご紹介します。
- ①患者・利用者に行うこと
-
- 排泄の確認
- ②介助者自身が行うこと
-
- 手洗い
- マスク・エプロンの着用
- ③食卓の準備
-
- テーブルをクロスで拭く
- 食事を置くスペースの確保
- 必要なものを用意(おはし、スプーン、吸い飲み、滑り止めマット、介護用エプロン、タオル、ティッシュペーパーなど)
- ④食事の準備
-
- 利用者ごとに指示された食事が準備されているかどうかを確認 ※食事カードと患者の名前はフルネームで確認
- 必ず食事カードと食事が合っているか否かを確認 ※食事カード:患者の治療上の制限になる禁忌食が記載されているので確認
- 配膳車から食事を取り出し、食器の配置、食物の配分、量などが適切かどうか確認
- 本人の見える位置に配膳
①の排泄確認は、食事前に行います。食事中に尿意を感じたり、排泄を行ったりすると、食事の摂取量に影響が出てしまうことがあるためです。
フラットトレイで配膳するとこんなメリットが!
出典:株式会社Fujitaka介護施設や病院で配膳される食事は、画像1のような分割トレイにのせて提供されることが多いと思います。
- 【メリット①】基本の配膳の位置にセットできる
- 当ページでご紹介したように、配膳マナーに則った位置に食材を配置することができます。
- 【メリット②】利用者が配置を変えられる
- 利用者が食べやすいように、自分で食器をすべらせて配置を変更することができます。
- 【メリット③】食器が転倒しにくい
- トレイに仕切りがないため、食器を動かす時に転倒したり、こぼしたりしにくいです。
- 【メリット④】楽しい食事を演出できる
- ランチョンマットを敷くことができるので、季節感を演出したり行事らしさを出したり、楽しい食事ができます。
このほか置く食器のデザインを選ばないので、松花堂弁当のような大きな弁当箱も利用することができ、利用者の食事の時間が楽しくなりますね。